KMフェロニア、タタワ・ベサール沖で強い渦潮に巻き込まれ転覆

東ヌサ・トゥンガラ州西マンガライ県のコモド国立公園タタワ・ベサール海域において、2026年10月13日午後、総トン数51トンの観光ピニシ船「KMフェロニア」が沈没した。同船は航行中に強い渦潮に巻き込まれ、転覆した。

乗客25人と乗組員5人の計30人を乗せた同船は、午前8時(WITA)ごろにラブアン・バジョのマリーナ港を出港し、リンチャ島の桟橋へ向かっていた。午後2時30分ごろ、船体が左舷側に傾いて転覆し、沈没に至った。

上層甲板にいた乗客や乗組員は海へ飛び込み、乗組員が緊急用ゴムボートを展開したほか、付近を通りかかった2隻の高速ボートが救助に駆けつけた。29人は無事救助されたが、外国人観光客3人が負傷し手当てを受けている。

ヴェロニカさんは内側から施錠されたトイレ内に閉じ込められた疑い

唯一行方不明となっているのは、同航海でダイブマスターおよびツアーガイドを務めていたインドネシア人女性のヴェロニカ・ベアトリクス・ジェシカさん(23)である。彼女は外国人観光客24人と並び、乗客25人中23番目として名簿に記載されていた。

ヴェロニカさんはラブアン・バジョに4年間居住し、ダイブマスターとして勤務していた。船長のイスラン氏によると、事故発生時、乗客は上層甲板にいたが、ヴェロニカさんは船内のトイレにいたとみられるという。

西マンガライ県警察水上警察隊のレオナルド・マルパウン警部(IPTU)は、被害者が内側から鍵の掛かったトイレの中にいたと述べた。「船が突然左側に転覆したため、逃げる間もなく船体とともに沈んだ」と説明している。船長は、救出されたゲストとガイドの人数を再確認して初めて取り残された乗客の存在に気づいたと証言している。

捜索救助活動4日目:132人を動員、ROVやソナーを投入

合同捜索救助(SAR)チームは捜索範囲を拡大し続けている。活動2日目の10月14日(水)には63〜82人が投入され、午後12時10分ごろにバトゥ・ボロン海域でKMフェロニアのソファクッションや防舷材の漂流物を発見、さらに午後3時15分にはペンガ島とシアバ・ベサール島の間の海域でダイビングタンクを回収した。

3日目の10月15日(木)には、午前6時から104人が動員された。水面捜索に加え、チームは水深約40メートルまで潜水し、水中ドローンを投入して沈没船の調査を行った。捜索範囲はパダール島沖まで広げられたが、発見には至らなかった。

4日目の10月16日(金)には、132人が投入され、45.29海里に及ぶ捜索区域がカバーされた。バサルナス(国家捜索救助庁)は水深約99メートルまで遠隔操作無人探査機(ROV)を展開し、インドネシア海軍はサイドスキャンソナーを用いて複数箇所を調査した。また、チームはKMフェロニアの救命胴衣1着を発見したが、この日の活動終了時点でもヴェロニカさんの発見には至っていない。

遺族がラブアン・バジョに到着、警察は業務上過失の可能性を捜査

ヴェロニカさんの兄といとこが、捜索活動の進捗状況を確認するためジャカルタからラブアン・バジョ港湾運航事務所(KSOP第3級)を訪れた。2人はKSOP、バサルナス、水上警察、西マンガライ県運輸局の担当者と面会した。遺族と話した関係者は「大きなショックを受けている」と語った。

一方、西マンガライ県警察は、強い潮流で知られるタタワ・ベサール海域の渦潮通過時における船舶の安定性など、過失の有無に焦点を当てて事故原因の究明を進めている。